冬でもキレイな手元で
人の第一印象は3〜5秒ほどで決まる、そう聞いたことはありませんか?
出会った時に抱いた印象は、後々まで残り相手との関係に影響することもあるようです。 清潔感のある人は男女ともに魅力的。身ぎれいにして周囲に好印象を与えたいですよね。
清潔感を損なう要因の1つに、よくフケが挙げられます。気がつけば肩にフケが落ちていて、お悩みの方もいらっしゃるでしょう。
今回はそもそもフケとは何かを含め、原因と対策を解説します。
<目次>
フケの正体とは?
皮膚は一定のサイクルで新しく生まれ変わっています。この仕組みは「ターンオーバー」と言い、赤ちゃんからお年寄りまで、この肌の代謝を繰り返しているのです。
フケはターンオーバーにより頭皮から剥がれ落ちた古い角質、つまり垢のようなもの。そう、フケは誰にでも発生するのです。
しかしターンオーバーが乱れると、特徴的でとても目立つフケが出てきてしまいます。それが次の2種類です。
①脂性フケ
脂性フケは水分量が多く、湿気ったようなベタベタしたフケを指します。黄白色で頭皮や頭髪にはりつくのが特徴です。
②乾性フケ
乾性フケは、文字通り乾燥しており、パラパラとした白い粉のような見た目をしています。髪や頭皮のつく脂性フケとは違い、落ちやすく肩などについていることが多いようです。
日常生活の中にフケの原因がある?
この記事を読んでくださっている方の中には「毎日、頭を洗っているのにどうしてフケが……」と悩んでおられる方もいると思います。
まずは日々の習慣のどこにフケの原因が潜んでいるかを知りましょう。
それがフケ対策の第一歩となるはずです。
①シャンプーのすすぎ残し
髪は正しく洗わないと汚れが頭皮に残ってしまい、フケをはじめとする様々なトラブルにつながります。
例えばシャンプーを泡立て、頭皮をマッサージするようにしっかり洗っているけど、すすぎがちゃんと出来ていないという人は要注意。
すすぎ残しをしてしまう人は、髪の毛を洗う際に指が頭皮に触れていない場合が多いようです。
また、すすぐ時間が洗う時間よりも短いと、皮脂などの汚れがシャンプーと一緒に頭皮に残ってしまうこともあります。
②乾燥
乾燥した頭皮は、外からの刺激に無防備な状態です。保護するものがないため、角質が剝がれやすく、ターンオーバーのサイクルが狂い、未熟な角質が剥がれフケとなります。
また乾燥した皮膚はとても敏感で少しの刺激でも炎症、そしてかゆみの原因にもなります。無意識に掻きむしると、角質がはがれて更にフケが発生してしまうという負のスパイラルに陥ることも。
季節の変わり目は顔などと同じように頭皮も乾燥しやすく、潤いを保つことが難しくなります。またドライヤーのあて過ぎでも同じように皮膚が乾燥しやすいので注意しましょう。
乾燥によるフケを防ぐためには洗髪後に正しくドライヤーを当てて、頭皮の乾燥を防ぐことが大切です。
③生活習慣の乱れ
頭皮ケアをしっかりしていても、フケがどうしても出てしまう……そんな方は生活習慣が原因でフケが発生している場合もあります。
1. 睡眠不足
人は睡眠中に成長ホルモンが分泌され、肌細胞の修復や調整が行われます。逆に睡眠が足りていない状態だと皮膚のターンオーバーが乱れてしまい、フケが出やすくなるのです。
2. ストレス
意外と思われるかもしれませんが、ストレスが原因でフケが出ることもあります。
ホルモンバランスの乱れによって、頭皮の皮脂や皮膚のターンオーバーに異常が起き、頭皮のトラブルにつながるのです。睡眠不足でも触れましたが、ターンオーバーの乱れはフケを発生させる原因の1つとなります。
3. 栄養バランスの乱れ
栄養バランスの整った食事は、健康面においてとても重要なもの。それは頭皮をはじめとした皮膚にとっても同じことで、栄養は多すぎても少なすぎても良くありません。
例えば、粘り気のある脂性のフケが出やすい人は、皮脂の分泌を促す脂っこい食べ物が大好きだったりしませんか?
4. 過度な喫煙
煙草に含まれるニコチンには毛細血管を収縮させる働きがあります。そのため喫煙することで血行が悪くなり、栄養が運ばれにくくなってしまうのです。その結果、肌荒れの原因にもなります。
頭皮も肌の一部、美しい肌を目指すことがフケや抜け毛予防につながるということですね。
④紫外線
頭皮は髪に覆われているため、頭皮にも日焼け対策をする人は少ない傾向にありますが、露出しているつむじや分け目などは顔や手足と同じように日焼けするんです。
日焼けは一種のやけど状態。体が受けたダメージを治そうと新陳代謝のサイクルを早めることで、結果フケが発生してしまうのです。
今日からできる5つのフケ対策
かゆみがある時、無意識に掻いてしまうことって多いですよね。ただ、患部を掻くと皮膚のバリア機能が壊れてさらに症状が悪化し、炎症も起きて悪循環に陥ります。
まずは、爪で掻くなど刺激しないことが大事です。
脂性フケの場合は洗髪の時にしっかりとすすぎ、乾性フケの場合は洗髪のしすぎに注意し、シャンプーをつけないお湯洗いだけの日をつくるのも良いでしょう。
洗い残しが心配な人は洗髪の際、指の腹で頭皮や髪に触れているのを感じながら、ぬるつきがなくなるまですすぎましょう。
特に洗い残しやすい部分は、耳の後ろや生え際です。このあたりは意識して、しっかりすすぐようにしてください。
シャワーの温度は40度前後が目安。 理由は、それ以上の温度だと頭皮に必要な分の皮脂まで洗い流してしまうからです。
皮脂が取れすぎると頭皮が乾燥してフケの原因になったり、皮脂が過剰に分泌されて頭がベタベタしたりすることも。ただ水温が低すぎると、汚れが落ちづらくなるので適切な温度で洗髪しましょう。
季節や体質によって、温度は変わることがあります。自分にとって適した温度を見つけることも大切です。
まず、ドライヤーを使う前にタオルドライで水気をふき取っておきましょう。そうすることでドライヤーの時間が短縮でき、熱による頭皮へのダメージを抑えられます。
ドライヤーから吹き出す温風は、とても高温です。そのため髪から10センチ以上離してかけるようにしましょう。また同じ箇所に長時間にわたり温風が当たらないよう、吹き出し口の位置を変えながら丁寧に乾かしてください。
皮脂について色々お伝えしてきましたが、何も出そうと思って皮脂を多く分泌しているわけではないですよね。
どうしてもフケが出る、特に脂性のべたっとしたものが気になるという方は皮膚の粘膜を正常に保つ働きや、体内から皮脂の分泌を抑制する働きがあるビタミンB2・B6を多く含む食品(豚レバー、チーズ、焼きのり、マグロ、バナナなど)をとるようにしましょう。
早寝早起きを習慣づけたり、栄養バランスの整った食生活を心がけたりしましょう。
そうすることで頭皮だけでなく肌全体を美しく保つことにつながりますよ。また自分なりのリラックス方法を見つけ、ストレスのない生活を目指すことがフケ改善にもご自身の体調にも良いはずなので、ぜひ取り組んでみてくださいね。
正しいフケ対策をして悩みから解放されましょう
今回ご紹介した改善策を意識して行うことで、フケの量が減る場合もあります。 日頃からできる簡単な対策から始めて悩みを解消しましょう。
改善策を実践してみても状態が変わらない場合は、医師への相談をおすすめします。
巣鴨千石皮ふ科 院長 小西真絢
皮膚科専門医。2017年に皮膚科・アレルギー科の巣鴨千石皮ふ科開院。「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指している。力を入れているアトピー性皮膚炎・乾癬においては医師向けのセミナーにも登壇。初診からのオンライン診療に対応しており、皮膚の健康に貢献したいと日々奮闘している。
巣鴨千石皮ふ科Webサイト
https://sugamo-sengoku-hifu.jp/
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