冬でもキレイな手元で
近ごろ、スキンケアに気を配り化粧水や美容液を使用する男性が増えましたよね。清潔感のあるきれいな肌は、爽やかな印象を与えます。
しかし、長期にわたるコロナ禍で、マスクによる肌荒れの悩みも多く聞かれるようになりました。ビジネスや公共の場では、まだまだ必需品のマスク。この記事では皮膚科医の監修のもと、男性に多いマスク肌荒れの原因と対策をご紹介します。
小栁 衣吏子
(医療法人財団 青輝会 アオハルクリニック院長) 【専門分野:皮膚科、美容皮膚科】
ウェルエイジングをめざす皆様のため、日々探求を続けている、皮膚と顔筋の専門家です。
皮膚だけでなく、顔の筋肉(30種類以上あります)の勉強も続けており、海外での解剖トレーニングにも積極的に参加しています。 【略歴・所属】
順天堂大学医学部卒。順天堂大学医学部附属病院順天堂医院・浦安病院・伊豆長岡病院(現 静岡病院)などに勤務後、2009年ウェルエイジングのコンセプトに賛同してアオハルクリニックに参加、2011年同医院の院長に就任し、現在に至る。順天堂大学医学部 皮膚科助教(非常勤)、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会評議員・認定専門医 ・詳細プロフィール
https://aohalclinic.jp/dr ・医療法人財団 青輝会 アオハルクリニック
https://aohalclinic.jp/
男性のマスク着用の肌トラブル例
男性のマスク肌荒れで多いトラブルを3つピックアップしました。まずは自分の肌荒れが、どれに該当するかを知りましょう。
かゆみ、赤み、チクチクとした刺激
マスクの触れる範囲に、かゆみ、赤み、チクチクとした刺激が発生します。また、呼気による蒸れで、口周辺の皮膚がただれる場合もあります。角質層がダメージを受けると肌のバリア機能が低下するため、さらにトラブルが深刻化することも少なくありません。
ニキビ、湿疹
鼻や口周辺、頬などにニキビが出やすくなるのも、マスク肌荒れの特徴です。また、マスクの生地で皮膚がこすれることで、摩擦性の湿疹ができる場合もあります。
毛穴の黒ずみ、テカり
鼻周辺は皮脂が多いゾーン。マスクで高温多湿になると、過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まり、黒ずみやテカリが起こりやすくなります。放置すると酸化した皮脂が刺激の原因となるので、適切なスキンケアが必要です。
男性のマスク着用の肌トラブルの原因とスキンケア対策法
【原因1】髭による蒸れからくる皮膚のふやけでバリア機能が低下
角質層は外界の刺激から皮膚を守るバリアの役目をしています。しかし、マスクを着用していると皮膚の湿度や温度が上がりやすく、角質がふやけてもろくなります。
さらに髭があることで蒸れやすくなります。この状態でマスクを頻繁に着脱すると、摩擦で細胞がはがれてバリア機能の低下を引き起こし、うるおいを失うとともに雑菌が繁殖しやすい肌環境になってしまいます。
【対策】
肌のバリア機能を保持するためには、摩擦に注意することに加え、肌を清潔に保つことも重要です。カミソリを使って髭剃りをすることで、蒸れやすくなるのを防ぐことに役立ちます。
その際、「カミソリで髭を剃るのは、肌荒れの原因になるのでは?」と心配する方もいらっしゃいますが、肌にやさしいカミソリを使用することで、カミソリ負けやヒリヒリ感を最小限に抑えることができます。
なお、米国の研究機関によると、マスクの下にヒゲがあると防護機能が十分に発揮されないそうです。マスクを着けるなら、きちんと髭剃りをしておくように心掛けましょう。
https://blogs.cdc.gov/niosh-science-blog/2017/11/02/noshave/
【原因2】マスクの生地やサイズも肌荒れに影響
すでに炎症を起こしている人は、マスクの生地を見直してみましょう。ポリウレタンなどの石油系合成繊維は、肌を傷つけやすく蒸れやすいため、肌荒れの原因になることがあります。
また、マスクが顔にフィットしているかどうかも重要です。サイズの合わないマスクで、摩擦や圧迫による肌荒れが起こることも少なくありません。
【対策】
湿度を最適に保つなら、最も良いのは綿素材です。ウイルス防御効果の高い不織布のマスクを使用する際にも、内側に綿素材の布やガーゼを入れておくことで、余分な湿気を吸収して皮膚表面のふやけを防ぎます。
サイズに関しては、大きすぎても小さすぎても摩擦や圧迫の原因となり、皮膚に負担がかかります。「日本マスク協会」の公式サイトでは、マスクのサイズの測り方を図で解説しています。ぜひ参考にして、自分にぴったりサイズのマスクを選んでください。
【原因3】肌のケア不足
マスク肌荒れを改善するには、正しいスキンケアがポイントになります。男性は「洗顔だけ」という人も多いですが、どんな肌質にも保湿は不可欠です。また、内面から肌を整える食事バランスにも注意しましょう。
【対策】
●洗顔
良質な石けん、または洗顔料を十分に泡立て、肌に刺激を与えないようなめらかなタッチで洗います。水またはぬるま湯でよくすすいで、タオルで押さえるように水分をふき取ります。決してこすらないことが重要です。
●保湿
化粧水、乳液など、刺激の少ないマイルドな保湿ケアで、角質層にうるおいを与えます。脂性肌の人は、油分の少ないアイテムで水分を補いましょう。特に髭剃りの後は保湿成分が浸透しやすいので、効果的なスキンケアのチャンスです。
まとめ
コロナ禍で急激に増加した「マスク肌荒れ」。職場でマスクを外すわけにもいかず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。男性の方は髭による蒸れが原因の可能性もありますのでしっかりと剃れる髭剃りで清潔に保つことが有効です。
ご自身のトラブルの原因を知り、適切なケアをすることで、マスク肌荒れは改善されます。それでも炎症が治まらない場合は、すみやかに皮膚科を受診しましょう。
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