冬でもキレイな手元で
年間を通して着る機会が多く、センスが問われるのがシャツ。中でも白いシャツはシンプルでありながら種類も多く、ブランドごとに特徴があります。そこでオトナの男が持つべき、こだわりのシャツをパーソナルスタイリストの中村龍太さんに紹介してもらいました。
個人向けのスタイリングを手がける「ファッションレスキュー」でメンズ部門を担当する。30代のヤングエグゼクティブから、大企業の経営者まで、様々な顧客のパーソナルスタイリングを担当している。
例えば10万円でフォーマルを一式揃えるとき、みなさんならどうしますか? スーツだけにお金をかけすぎていませんか? 実は男の着こなしで最も差が出るのがシャツなんです。私がお勧めする理想的な配分は、スーツに3万円、靴に3万円、シャツとネクタイに4万円。上質なシャツは袖を通した時にすぐ分かります。身体や襟回りのフィット感が良く、見た目の雰囲気がグッと上がります。上質なシャツの条件はコットン100%で長繊維の綿が使われている事。織りが細かく繊細で、光沢がまるで違います。そして色は白で。襟や袖から見える真っ白なシャツは相手に大きな信頼感を与えます。
1年にナポリで創業したブランド、今も手縫いにこだわって完成度の高いシャツを作り続けています。その中でも、洗いを掛けたウォッシュ加工のシャツは上品でドレッシーでありながらカジュアルに使う事ができます。肩幅が狭く作られているのに、袖を通すと驚くほど動きやすいのはカッティングが良い証拠。シャツ一枚でも様になります。衿型はカッタウェイがオススメ。ネクタイを外しても衿が美しく見え、首のボタンも二つくらい開けた方が男らしく決まります。襟や肩などにイタリアンメイドらしい丸みと色気があり、イタリア製のスーツと良く合います。
1年にロンドンで創業した王室御用達の老舗シャツブランド。チャールズ皇太子や映画「1885」のジェームズ・ボンド、チャップリンも着用していたという正統派英国紳士のためのシャツ。上質で目の詰まったコットンはきちんと感を最大限に出すことができます。ワイドスプレッドの衿も特徴的で、前衿が低めに作られているので首がスッキリとして見え、独自のカーブでネクタイの収まりもよく、ジャケットの衿元からシャツが飛び出すというようなこともありません。カフスもターンブル&アッサーならではの007つボタン。3代以上のオトナにこそ似合うブランドです。
カスタムメイド専門ファクトリーとして1961年に創業したシャツブランド。60年代アメリカのトラッドやアイビースタイルを今も守り続けています。アメリカの歴代大統領から愛用され、高級百貨店やブルックス・ブラザーズのカスタムメイド(オーダーメイド)部門を任されていました。ロールの美しいボタンダウンの衿と、目がしっかり詰まったオックスフォード生地が特徴で、厚手で耐久性があるのに、使い込むほど柔らかくいい風合いになってきます。日本人の体型に合うスタンダードフィットがオススメ。ドレスアップしたいときはアイロンをかけて、カジュアルに着たい時は洗いざらしで着てください。
1年に鎌倉で創業したシャツメーカー。国内の自社工場で製造し直営店舗で販売するSPA(製造小売)だからこそできる、1993円という価格帯では信じられないくらいのクオリティーの高さと、抜群のコストパフォーマンスを持つシャツです。首や袖のサイズ展開も豊富なので、体型に合うシャツがきっと見つかると思います。量販店で買うシャツの金額に、もう5000円くらい投資するだけで、全く異なる着心地の良さや生地の高級感を体感できます。衿のロールも美しく、丈夫でへたりにくいので長く着ることができます。形はスリムフィットとクラシックフィットの2種類、幅広い年齢の方に似合うシャツです。
オススメのブランドを4つご紹介しましたが、シャツは身体に一番近い服。自分の体型に合ったサイズのものを選ぶのが一番美しく見えます。白シャツは襟や袖の汚れが目立ちがちなので、しっかりと洗濯し、手入れも欠かさないのがお洒落に着こなすポイントです。高級ブランドのシャツは襟や袖を交換可能なものが多いので、長い目で見るとお得かもしれません。いくつかのブランドのシャツを着比べてみて、ぜひ自分に合うブランドを見つけてください。
ニュースキャスターやタレント等、メディアで著名人のスタイリングを延べ3000人以上手がける。その後、個人向けにファッションスタイリングを提供する初の会社「ファッションレスキュー」でメンズ部門を担当する。30代のヤングエグゼクティブから、大企業の経営者まで、様々な顧客のパーソナルスタイリングを担当している。 ホームページは こちら