冬でもキレイな手元で
ハンドリガードは、赤ちゃんの成長過程で重要なしぐさのひとつです。
赤ちゃんを育てているご家族に向けて、ハンドリガードの意味や行う時期、始めた時の注意点、一般的な時期が過ぎてもハンドリガードを行わない赤ちゃんについてどうすればいいかなど、子育てのヒントになることを監修者の方に伺ったので、参考にしてくださいね。
ハンドリガードとは?
ハンドリガードとは、小さな赤ちゃん特有のしぐさの一種。
そもそもハンドリガードの「リガード」は、日本語で「じっと見る」と訳されます。成長過程に見られるもので、自分の手を不思議そうな顔でじっと見つめたり、指やこぶしを舐めたりするしぐさです。
ハンドリガードをする時期って?
そのしぐさは赤ちゃんによって様々ですが、一般的には生後2~3カ月頃によく見られると言われています。ただ個人差があるので、4~5カ月頃の場合も。 数カ月すると行わなくなってしまうので、見逃したくない、写真や動画に残したい、と思うご家族も多いでしょう。
ハンドリガードの種類と意味
ハンドリガードはかわいいしぐさというだけではありません。赤ちゃんにとって非常に大切な意味があるしぐさなんです。
・髪の毛をむしるようなしぐさをした後に手のひらを見つめる
・手を上げたり下ろしたり繰り返す
・手をグーにしたりパーにしたりを繰り返す
・ゆらゆらと手を揺らす
・手や指を口の中に入れて舐める
などのように、一般的によく見られるものから、手だけではなく足を見つめたり動かしたりする、「フットリガード」を行う赤ちゃんもいて、その種類は多岐にわたります。
様々なハンドリガードによって、赤ちゃんはモノを見る力(視覚)と体を動かす力(脳・運動機能)を養い、見たいものに焦点を合わせることができるようになったり、自分の体を自由に動かすことができるようになっていきます。
また、ハンドリガードは手や足が自分の体の一部だという自覚が赤ちゃんに芽生えてきていることを意味します。自分の手が目に入ってきて「これは何?」とじっと見つめ、その手を動かすことによって自分の手だと認識し始めるのです。
ハンドリガードをし始めた赤ちゃんに気をつけること
ハンドリガードが始まった赤ちゃんに、どんなことをしてあげるのが良いでしょうか?
柔らかい素材のおもちゃで遊ばせる
スティック型やドーナツ型の音の鳴るおもちゃで遊ばせることで、動くものを目で追える力(追視)を更に伸ばすことができます。
また、ぬいぐるみで遊ばせることも、脳を刺激して手や体の動かし方を学べ、成長を促してくれるでしょう。
赤ちゃんの手を清潔に保ち爪もこまめに整える
ハンドリガードは手を見つめるだけではなく、その手を口の中に持っていって舐めることも。その時に手を清潔に保っておくことが大切です。神経質になる必要はありませんが、なるべく気をつけておくと良いでしょう。
また、舐めたりしゃぶったりする時にケガをしないよう、爪をこまめに切ってあげることも大切です。
ハンドリガードをしない赤ちゃんもいる?
なかなかハンドリガードが始まらない……と悩んでしまうパパやママもいらっしゃるかもしれません。ハンドリガードは大切な成長過程だとお話してきましたが、ハンドリガードの有無や時期には個人差があります。なかなか始まらないと思っても、決して焦る必要はありません。
ハンドリガードがなくても気にしなくてOK
赤ちゃんの成長過程には個人差があります。あくまで「成長過程においてよく見られるしぐさ」だと思ってください。
一般的なハンドリガード以外のしぐさもある
ハンドリガードの代わりにフットリガードを行う赤ちゃんもいます。しぐさには本当に様々な種類があり、必ずしも手を見つめるわけではありません。おもちゃに手を伸ばして遊ぼうとするだけでも十分に成長している証です。
また、ご家族が見ていないタイミングで行っていることもあります。
スキンシップ遊びをしてみよう
赤ちゃんの成長の手助けには、パパやママとのスキンシップを増やして遊んであげるのが効果的です。歌に合わせて一緒に体を動かす、手遊びをする、ベビーマッサージをして外部から刺激を与えてあげる等がオススメ。赤ちゃんの触覚や好奇心も刺激され、発育が促されます。
赤ちゃんの成長過程をゆっくり見守ろう
ハンドリガードはとても大切な成長過程のひとつ。しぐさの意味や時期について理解したら、その愛らしいしぐさを見たいというご家族も多いでしょう。ですが、見られなかったからといって焦る必要はありません。
実は佐野さんにもハンドリガードが遅いなと思うことがあったようです。
【佐野さんからの一言アドバイス】
私はこれまでたくさんの子どもたちと触れ合ってきましたし、自分の子どもとも向き合ってきましたが、成長のタイミングやそのステップはみんな本当にバラバラなんです。時期はあくまで目安でしかありません。
子育てをしているとどうしても一般的な時期を気にしてしまう気持ちはとても分かりますが、あまり振り回されずにいてくださいね。
大切なのは、一般的と言われる時期や周りの赤ちゃんと比べず、赤ちゃんのペースや成長のステップを見守ってあげることです。
それでも不安がなかなか消えない時はどうか抱え込まないで。他にも気になることがあったりどうしても心配だったりする時には、専門家やかかりつけのお医者さんに相談してみるのも良いでしょう。
佐野昌子さん
大学で保育士資格、幼稚園教諭資格を取得し、卒業後5年間幼稚園教諭を勤めるなかで500名強の子どもたちと関わる。その後もベビーシッターとして従事。現在は豊富な保育経験を活かし、ベビーやキッズにまつわるイベントの会場スタイリング、フォトスタイリングなどの仕事をうけながら子育てに奮闘中。
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