冬でもキレイな手元で
頑固なシミやニオイを取り除いてくれる漂白剤。愛用している方も多いと思いますが、いろんな種類があって何を選べば良いのか迷った経験はありませんか? それぞれに合った正しい使い方をしないと、衣類にダメージを与えてしまうことも。そこで、漂白剤の種類とその特徴、正しい使い方をご紹介します。
<目次>
漂白剤と洗剤、汚れを落とす仕組みは全く違う!
漂白剤も洗剤も、衣類の汚れをきれいに取り除いてくれますが、その方法は全く異なります。
洗剤は、界面活性剤という主成分が汚れに吸着して取り除く。
漂白剤は、色素に化学反応を起こして分解することで、汚れやシミを除去。従って、洗剤では落としきれなかった汚れやシミでも、漂白剤でなら落とすことが可能な場合が多いのです。
漂白剤の種類はこんなにあった!
ひと口に漂白剤といっても、その種類はさまざま。まずは、どんな漂白剤があるのか、それぞれの特徴と併せて理解しておきましょう。実際に使用する時には、洗濯物の取り扱い絵表示で使用可能な漂白剤の種類を確認し、それぞれの使用量を守って使うことが重要です。
※洗濯絵表示についてはこちら参照
塩素系漂白剤(液体)
アルカリ性の漂白剤。強い漂白力があり、高い除菌・抗菌・防臭効果を発揮しますが、生地の染料まで分解してしまうため、色柄物には使用できません。また、塩素が残ると繊維を傷めてしまうことがあるので、毛・絹・ナイロン・アセテート・ポリウレタンといった素材のほか、水洗い不可、エンソサラシ不可のマーク表示がある衣類には使用できません。また、長時間の浸け置きをしておくと、ワイシャツの襟や袖が黄色くなることがあるので注意!
<POINT>
塩素系漂白剤は、キッチンやバスルームの黒ずみやカビの除去にも適しています。ただし、取り扱いには注意が必要。酸性の液体と混ざると、有毒な塩素ガスを発生するため、酸性の洗剤などと混ぜて使うことは危険です。
酸素系漂白剤(粉末)
弱アルカリ性の漂白剤。塩素系漂白剤に比べ、効果は弱まりますが、色柄物にも使えます。ただし毛・絹素材や水洗い不可の衣類には使用できません。酸素系漂白剤(液体)
弱酸性の漂白剤。粉末と同じく色柄物にも使用できるほか、毛・絹素材にも使用できます。水洗い不可の衣類には使用できません。還元型漂白剤(粉末)
弱アルカリ性の漂白剤。鉄サビの汚れや、鉄分を含む水でできた黄ばみを落とすことができます。色柄物や水洗い不可の衣類には使用できません。<POINT>
還元型漂白剤に対し、塩素系と酸素系漂白剤を総称して酸化型漂白剤と言います。「酸化型」は物質に酸素を与えることで、「還元型」は物質から酸素を奪うことで色素を取り除きます。一般家庭の洗濯で使われているのは、酸化型が大多数ですが、還元型は、鉄サビの汚れなど、酸化型では落とせない汚れを落とすことができます。
もう迷わない! 汚れのタイプ別に漂白剤の使い方
漂白剤の使い分けが分からない、色落ちが心配…など、使用を迷ってきた方に、汚れのタイプごとに最適な漂白剤の使い方をご紹介しましょう。あきらめていた汚れやニオイが取れて、お気に入りの衣類を長く愛用できる強い味方になるはずです!
普段のお洗濯時に一緒に使いたい漂白剤は?
液体の酸素系漂白剤がおすすめです。黄ばみの除去や殺菌効果があり、色柄物や毛・絹素材にも使えるので、普段のお洗濯時に洗剤と一緒に投入すれば、洗剤で落としきれない汚れやニオイなどを除去してくれます。また、漂白剤があらかじめ入っている洗剤の利用も効果的。洗剤を入れるだけで、漂白剤の効果も期待できます。
気になる衣類のニオイを取り除くには?
部屋干ししたタオルや肌着から放たれる生乾きのニオイなど、洗濯した後に気になるニオイ。これは、洗濯で落としきれなかった汚れが菌によって分解された際に発生するもの。解消するには、液体の酸素系漂白剤と洗剤で浸け置きするのがベスト。45℃くらいのお湯に洗剤と漂白剤を溶かして、30分ほど浸け置きしてから、普段通りに洗濯機で洗えば、嫌なニオイがすっきり!
目立つシミや汚れを落としたいときは?
コーヒーや調味料のシミなど、シミ抜きしても汚れが残ってしまったときは、素材が真っ白な綿や麻、ポリエステルなら、塩素系漂白剤が最も強力です。洗面器にぬるま湯を張り、キャップ1杯の漂白液を入れて軽く押し洗いした後、30分程度浸け置きをします。それ以外の素材(ウールや絹を除く)や色柄物の場合は、粉末の酸素系漂白剤がおすすめです。水温が高い方が、効果を発揮しやすいので、50℃までの熱いお湯に溶かして使用しましょう。
<POINT>
液体の塩素系漂白剤を使用する場合は、換気してゴム手袋を装着しましょう。漂白後カルキ臭が残るので、カルキ抜きを2粒ほど溶かした容器に衣類を浸した後、洗濯するとカルキ臭が抜けます。
塩素系漂白剤でもシミが取れないときは?
還元型漂白剤を試してみましょう。塩素系漂白剤とは異なる方法で、色素を取り除くので、塩素系漂白剤では落ちない汚れを落としてくれる可能性があります。ただし、白物以外は使用することができません。
<まとめ>
漂白剤は、洗濯では落とせなかった汚れやニオイなどを取り除いてくれるすぐれもの!素材や汚れの種類に合わせて、最適なものを選んで使用しましょう。ただ色落ちや、生地を傷めたり黄色く変色してしまうこともあるので、心配な衣類は、目立たない場所でテストをしてから使用するようにしましょう。
漂白剤についてのQ&A
塩素系漂白剤の表示にある「まぜるな危険」とは?
塩素系漂白剤は「酸性タイプの洗浄剤」が混ざると、有害な塩素ガスが発生してしまうため、「まぜるな危険」という注意書きが記載されています。「酸性タイプの洗浄剤」は、トイレ用の洗剤などが該当します。製品表示を確認してみましょう。衣料用洗剤と一緒に使って大丈夫?
塩素系と酸素系の漂白剤は、洗剤と一緒に使用することができます。ただし、用途によっては漂白剤単独で使用する必要があるので、製品の表示や使用方法を確認しましょう。柔軟剤と一緒に使って大丈夫?
漂白剤は「洗い」の工程で、柔軟剤は「すすぎ」の工程で使用すれば問題ありません。
漂白剤を超えた洗浄力の洗剤って?
漂白剤は、落ちにくいエリソデ汚れや黄ばみ、油汚れ、皮脂汚れ、食べこぼしなどの汚れ落としに効果的な一方、色落ちや色移り、劣化などのトラブルが心配な側面も。また、使用するときは換気したり、素手で取り扱えなかったり、漂白剤を使うものと使わないもので洗い分けが必要だったり、注意しなければいけないこともたくさん。
そこでおすすめなのが、アリエール プロクリーン。汚れをしっかり落としながら、色落ちや劣化が少なく、色柄物も気にせず一緒に洗える理想的なアイテムです。
漂白剤を使用したお洗濯での失敗が不安だったり、使用時のルールが煩わしいという方はぜひ一度試してみては?
●監修:中村 安秀
「クリーニングショップ中村」(大阪)店長
http://cl-nakamura.com/