冬でもキレイな手元で
意外と分からないことが多い、帽子の洗い方。
誤った洗い方をすると大切な帽子に大きなダメージを与えてしまうかもしれません。
ただ「洗い方が分からない」からと洗濯をせずに放置すると、帽子に汚れがこびりついてしまったり、カビや臭いが発生したりと衛生的にも良くありません。
そこで今回は洗える・洗えない帽子の種類の見分け方から、実際の洗い方、そしてお手入れや保管の仕方などを紹介していきます。
そもそも帽子って洗えるの?
帽子はクリーニング表示が全て不可なものも多く、他の衣類より洗濯するハードルが高いアイテムです。洗うことができない種類が多い帽子ですが、全部が全部洗えないというわけでもないんです。
せっかく洗えるのに汚れたまま放置すると、汚れの固着やニオイが発生してしまい、帽子が使えなくなってしまうかも……。
そうならないためにもニオイが気になったり、染み汚れが出来てしまったら洗濯するようにしましょう。
洗える種類と洗い方を知っていれば、大切な帽子を清潔な状態で長く愛用することができますよ。
帽子を洗う前に確認すべきポイント
まず、手持ちの帽子が洗えるかを確認していきましょう。帽子の内側に付いている「ケアラベル(品質表示タグ・洗濯ネーム)」をチェックしてください。桶のマークによって、家庭で洗濯できるかを判断できます。
桶のマークに「×(バツ)」印が付いているものは水洗い不可、つまり「家庭で洗濯できない製品」という意味です。
このマークが付いている帽子を、汚れたからと無理に洗濯すると、かえって型崩れや色落ちなどのトラブルが起こることがあるので、洗濯することは控えましょう。
万が一、洗っても良いという表記があったとしても、帽子にレザーが付いている場合は洗濯は避けたほうがいいです。
レザーは染色が弱く、色が滲みでる可能性が高いので、思わぬ問題が起こってしまうかもしれません。
素材によっては洗えない場合もありますが、洗えるか迷ったら帽子のタイプで、だいたい洗えるものとそうでないものに分けることができます。
それでも「家では洗濯できない帽子が汚れてしまった! でもどうしても洗いたい……!」という場合は、自分で対処にしようとはせず、プロであるクリーニング店に相談しましょう。
洗濯以外でトラブルの原因になり得るのは…
実は洗濯以外でも、トラブルの原因になるものがあります。
それは「紫外線」と「汗」です。
ブラックやネイビーなどの色は紫外線による変色や脱色に注意しましょう。白色やベージュなど淡い色合いの帽子は、汗が黄ばみとして現れやすいので、こまめに汗を拭くなどして対策してください。
帽子の洗い方と注意するポイント【手洗い編】
帽子の型崩れを防ぐためにも洗う際は手洗いがおすすめ。
特にキャップは洗濯機で洗うとツバが割れてしまうこともあるので、できるだけ手で洗うようにしましょう。
最近はブランドのシールなどもオシャレの一環として大事にしている人もいるようです。
しかし、「シールがはがれるのが嫌だから」という理由で、洗濯をしないままにしていると、汗で帽子が脱色や変色したりする危険性も。
帽子についているブランドシールは、洗濯前に取り外し大切に保管して、洗濯後につければ問題ありませんよ。
手洗いの仕方
・桶
・洗剤(おしゃれ着洗い用)
・水
・タオル
① 「ケアラベル(品質表示タグ・洗濯ネーム)」で水洗いが可能か、確認する。可能なら水に溶かした洗剤をタオルに付けて、キャップから色落ちしていないか、まずはチェックする。
② お湯(30℃程度のぬるま湯)と洗剤を入れ、かき混ぜて洗浄剤を作る。洗剤の量はパッケージの裏に書いている内容を参考に。またお湯の温度が高いと色移りの原因になるので注意が必要です。
③ 優しく押し洗いする。ガンコな汚れは優しくブラッシング。強い力でブラッシングをしたり、やり過ぎたりすると色が脱色するので避けましょう。
④ しっかりとすすぎ、洗剤を落としてください。最後に柔軟剤を適量入れます。
⑤ タオルで水分をよく拭き取り、その後は陰干しに。 脱水機を使う時は、帽子の種類によっては型崩れの原因にもなるので注意してください。最後に必要であればアイロンをかける。
帽子の洗い方と注意するポイント【洗濯機編】
クリーニングマークがあれば、洗濯機でも洗うことが可能。ただし型崩れしないよう最小限の洗い方で洗うようにしましょう。
洗濯機を使った洗い方
・洗濯ネット
・洗剤(おしゃれ着洗い用など)
・タオル2枚(型崩れ防止用と拭く用)
キャップの場合
① 洗濯する前に型崩れしないように帽子の内側にタオルを入れるか、キャップを2~3つほど重ねる。
② ツバへのダメージを軽減するために、形を整え、ネットに入れて洗濯機に入れる。
③ コースは洗濯物へのダメージが少ない「手洗いコース」や「おしゃれ着コース」または「ドライコース」のうちのいずれかを選ぶ。
④ 脱水は強い力が帽子にかかるため、1分程度で止める。脱水が終わったら、日陰でしっかりと乾かしましょう。
重ねたり、帽子にタオルを入れたりするだけでは不安という方には、型崩れを防ぎながら洗えるアイテムもあるのでおすすめですよ。
ニットキャップの場合
① ニットキャップをボール状に丸めてネットに入れ、洗濯機へ。
② 型崩れ防止のために洗濯機のコースは、衣類への負担が軽い「手洗いコース」や「おしゃれ着コース」または「ドライコース」を選ぶ。
③ 洗濯機の脱水機能は使わず手で水分を取り除くか、大きめのタオルで水分を吸収させるように帽子から水気を取る。洗濯機の脱水は力が強いので型崩れを起こしやすいため。
④ 干す際は自然乾燥で陰干しする。乾燥機は型崩れや縫い目が縮みやすいので使用しないようにしましょう。
型崩れしにくい帽子の干し方
干す時は、内側にタオルを入れて、形を整えて干すと帽子の型崩れを防ぐことができます。また、風通しがよく直接日の当たらない場所で平置きしてください。
さらに、縫い目を伸ばし生乾きのタイミングで帽子置きに置いておくのも良いでしょう。
洗えない素材の帽子のお手入れの方法
・麦わら帽子
・テンガロンハット
・バケットハットなど
布で拭く
水に濡らし固く絞った布で、帽子の内側についた汗を軽く拭き取りましょう。なかなか汚れが取れなくてもゴシゴシと擦らないように気をつけてください。
布に汚れを移すように軽く拭き取るのがコツ。帽子を傷つけず結果的に長持ちさせることができます。拭いた後は風通しの良い場所で乾燥させましょう。
除菌や消臭スプレーを使う
洗えないけど、ニオイがきつくて何とかしたい場合は除菌・消臭スプレーで対応を。着用後、帽子にサッとスプレーするだけで、ニオイが緩和できますよ。ニオイ除去だけでなく、除菌まで行える布用ファブリーズがおすすめです。
ホコリを取る
着用後は洋服ブラシや帽子用ブラシでブラッシングしてホコリを落としましょう。フェルトなど毛の流れがある素材は、毛流れに沿ってブラシを当てるようにしてください。
帽子のお手入れや保管方法
① 保管は直射日光の当たらない場所
帽子を脱いですぐにしまうと湿気でカビたり匂いが出たりします。脱いだ後はしばらく帽子掛けなどに置いて乾燥させてから、直接日光が当たらない場所に収納しましょう。収納時は防虫剤を使うとより良いでしょう。
② ニオイが残らないようにするために
ニオイが残るのを防ぎたい場合は、空気清浄機やサーキュレータで風を通しておくことをおすすめします。またアイロンのスチーム機能を使えばスチームの勢いで、嫌なニオイを除去できますよ。
クリーニング店からひとことアドバイス
帽子は「ケアラベル(品質表示タグ・洗濯ネーム)」がオールNGなものことが多いアイテムです。無理に洗濯した結果、色移りや形崩れを起こしてしまったというケースも少なくありません。
ツバなど芯があるキャップは家庭で洗うのが難しいですが、クリーニング店なら、芯が破損しないように洗うことも可能です。
クリーニングに出したほうがいいかどうか、分からず迷った時は近くのクリーニング店に相談してみるのがいいかもしれません。
お気に入りの帽子を大切に使い続けるために
今回は、帽子の洗い方や注意するポイント、保管方法などについて紹介しました。
帽子は肌に触れる機会が多いにも関わらず、洗い方が分からずそのままになっていることも多々あります。洗い方や保管方法をマスターして、大切な帽子が長く使えるようにしましょう。
もし、洗って良いか不安な場合は、クリーニング店に相談してみてください。
クリーニング国家資格師/染み抜き復元加工師
自らが学んできたクリーニング技術の限界を感じ、京都の染み抜き達人の下で特殊染み抜き技術の勉強を学び始める。今では、年間約4000点もの他店で落ちないシミや変色による復元に尽力している。
・クリーニング ミハシ
https://www.mihashi-cleaning.com/