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ネクタイの正しい洗濯方法とは?クリーニングか迷ったときの見極め方も解説

ビジネスの場において服装の清潔感が与える印象は大きく、その中でもネクタイは重要な身だしなみポイントになります。

とはいえネクタイをきれいに保つためには、クリーニング店に出した方がいいのか、家で洗濯してもいいのか、迷ってしまうこともあるでしょう。

クリーニング店の監修のもと、ネクタイを自宅で洗濯できるのかを判断するポイントや、失敗しない洗濯方法、普段のお手入れ方法などを紹介します。


自宅で洗えるか判断するポイントは3つ

自宅で洗えるか判断するポイントは3つ

ネクタイの生地や汚れの種類によっては、クリーニング店でないと洗濯が難しいものもあります。自宅で洗えるか、クリーニングのほうがいいのか、ポイントを見ていきましょう。

①素材を確認する

素材を確認する

まずは、どのような素材かを確認しましょう。

市場に出回っているネクタイの約9割はシルクが使われています。残りの1割の中に、ポリエステル・綿・リネン(麻)、ウールなどがあります。

これらの素材の中で自宅でも洗えるものは、こちら。

自宅で洗える素材と自宅で洗うのは難しい素材

ネクタイのほとんどは自宅洗いに不向きであると言えます。

自宅で洗える素材

ポリエステル
縮みや型崩れが起きにくく、繰り返し洗濯しても劣化が少ないことも特徴の1つです。

綿
水に強く耐久性が高い素材なので、ご自宅でも洗濯ができます。ただ洗濯の仕方を誤ると生地が縮んだり、毛羽立ったり、色泣きしたりすることもあるので注意が必要です。

クリーニング店でないと洗濯が難しい素材

シルク
色泣きや毛羽立ち、縮みといった様々なトラブルが起こりやすい素材です。

リネン(麻)
本来、リネンはしわを楽しむ素材ですが、ネクタイとして仕立てる際に化学のりでしわを伸ばしています。 そのため洗濯するとのりが取れてしわが目立つ場合があります。

ウール
水洗いすることで、大きな縮みにつながります。また色泣き(※)が起こるリスクもあります。

②汚れの種類を確認する

汚れの種類を確認する

自宅で洗える素材であることが分かれば、次は汚れの種類を見てみましょう。

汚れの種類

自宅で洗える汚れ

変色していない透明な汗の汚れ
放置して黄ばみになっていると自宅では難しくなります。

水溶性の液体による汚れ
水溶性といっても、自宅で洗濯できるのは日本酒など透明なものだけです。 ジュースやお茶など、色がついたものは洗濯が難しいので注意してください。

ほこり
日常的にネクタイにつくほこり程度なら、自宅で洗濯しても大丈夫です。

クリーニング店でないと洗濯が難しい汚れ

油が含まれている汚れ
例:ラーメンのスープ、肉汁、ドレッシング
油が膜をつくるので、無理に洗ってしまうと色落ちしてしまう場合があります。

色素汚れ
例:コーヒー、しょうゆ、赤ワイン
落とすのが難しい汚れのため、無理やり洗うと生地自体を傷めてしまう場合があります。

黄ばみ
例:汗や皮脂などのタンパク質汚れ
初めはなくとも、時間とともに浮き上がった皮脂などの汚れは取れにくい傾向にあります。

③ネクタイの特徴を確認する

ネクタイの素材や汚れの種類以外でも、自宅で洗濯できるか判断するポイントがあります。

ドライクリーニングの記号

洗濯する際に確認することが多い洗濯表示。

「ドライクリーニングマークがついていれば、洗濯機のドライモードで洗える!」と勘違いしている人もいますが、それは誤りです。

洗濯機のドライモードは、クリーニングのドライクリーニングとは異なるため、誤って洗濯機で洗うとトラブルの元ですのでご注意ください。

その他、洗濯が難しいネクタイの特徴

ネクタイの編み方
綿やウールに多いざっくりと編まれたネクタイも自宅での洗濯には向きません。

色の濃い柄が入っているもの
柄物の中でも濃い色、蛍光色のネクタイは色落ちしやすいため、自宅で洗濯することはできません。淡い色は洗える場合があります。

青色のネクタイ
色によって脱色のしやすさは異なります。 中でも青は、色落ちしやすいとされているため十分に注意が必要です。

自宅でのネクタイの洗い方

自宅でのネクタイの洗い方

ネクタイは洗濯機ではなく手洗いすることをおすすめします。ポイントは時間をかけずに手早く洗うこと。

ネクタイの内部には型崩れしないように芯が入れられており、この芯がよれないように洗うことが大切だからです。

型崩れしないように芯が入っている

ここでは、芯も表面も傷めない自宅でのネクタイの洗い方を説明します。









まず桶に40度のお湯と中性洗剤を入れ、泡立てましょう。

空気を含ませるようにふわふわの泡をつくることが、ネクタイの汚れを落とすために欠かせないポイントです。

原液は濃すぎるため①で泡立てた洗剤をネクタイの目立たない部分につけてみましょう。 洗剤をつけた箇所に色落ちや縮みなどの異常が出ないかしっかり確認してくださいね。

固着物がある場合は、乾いた状態で生地同士をこすり合わせるようにして落としましょう。爪などで無理に取ろうとすると穴が開く原因にもなるので注意してください。

洗う際は、洗濯ネットに入れて縫い目のほどけや摩擦を防ぎましょう。 洗濯ネットに入れずに洗うと、ネクタイ本体の重さで縫い目がほどける可能性があります。

洗濯ネットの端を持ち桶の中で上下させながら、じゃぶじゃぶと洗ってください。 洗い方は洗剤を入れた水を布地の隙間に通すイメージです。

汚れが落ちたと感じたら、お湯を取り替えて洗剤が取れるまですすぎましょう。 すすぐ際も洗濯ネットの端を持って、お湯の中で上下させながらじゃぶじゃぶとすすぎ洗いを行ってください。

洗剤が落ちたら桶の中に柔軟剤を入れます。 ネクタイに柔軟剤を充分に浸透させてから再度すすいでください。

柔軟剤には、洗剤に含まれるアルカリ性を中和する働きがあるため、ネクタイに洗剤が残るのを防げます。また、しわ予防も期待できます。

バスタオルでネクタイを挟んだ状態で軽く叩くか、バスタオルの上に置きクルクル巻いて包むなどして水分を吸い取りましょう。

この際、雑巾のように強く絞ったり、ゴシゴシと拭いたりしないようにしてください。 また、脱水機を使用することも傷みの原因となるためやめましょう。

ハンガーに干すと跡が残ることがあるため、平置きネットを使い風通しの良い場所で陰干ししてください。

乾燥機などは使わず、自然乾燥させることをおすすめします。 特にポリエステルは高温の熱で乾燥させると、変形したり強くしわが残ったりする恐れがあるので注意が必要です。

ネクタイが乾いたら低温(130~140度)に温めたアイロンとあて布を使って、シワを伸ばしながら形を整えましょう。

ネクタイのお手入れについて

ネクタイのお手入れ方法

①通気性の良い場所で保管する

ネクタイは直射日光を避け、通気性の良い場所で保管するようにしてください。 特にシルクは熱に弱いため、ファンヒーターなどの近くに置かないように気をつけましょう。

②クリーニング後はビニール袋をかけたままにしない

クリーニングに出した後、ほこりがつかないようにとビニールをつけっぱなしにするのも良くありません。

理由はビニールに包まれたままだと通気性が悪く、カビが発生しやすくなるためです。 また古くなったビニールからは、ガスが発生するため生地が黄ばむ原因になることもあります。

①ブラッシング

普段のお手入れ方法は、ブラッシングがおすすめです。 乾いた状態で毛足の長いやわらかいシルク用のブラシを使用しましょう。

②防水スプレーをかける

こまめな洗濯で汚れを落とすことも大切ですが、それ以上に汚さないことが重要です。

あらかじめネクタイに衣類用の防水スプレーをかけておくことで、万が一、ネクタイに何かがかかった場合にもさっと汚れが落ちることもあります。

ネクタイを汚してしまった時の応急処置

外食をしているときに汚れを付けてしまった……。そんな時にやりがちなのが、汚れを落とそうと濡れたタオルやティッシュで強く押し付けてしまうこと。

タオルで汚れた部分を叩けば、一見シミが薄くなったと思うかもしれません。 しかし、その状態でクリーニング店に持ち込んでもシミが落ちない場合がとても多いのです。

その理由は叩いたことで、シミを奥に入れてしまったから。

染み抜きをする際は、シミを叩いて他の布に移すという方法をとることが多いので意外だと思われるかもしれません。

しかし、ネクタイの場合は汚れが繊維内部に入りこんでしまい、そうなるとプロの手でもきれいな状態にすることは至難の業です。

生地の奥にシミを追いやり、抜くことがでない状態を「色素定着」と言います。 色素定着となってしまうと、クリーニング店でも汚れを落とし切ることが困難なのだとか。

また、シルクやウールは、水に弱いため擦った部分が毛羽立ってしまうこともあります。

汚してしまった場合は、慌てず表面の汚れを乾いたティッシュなどで取ったり吸わせたりする程度にとどめ、帰宅後すぐに洗濯するかクリーニング店に持ち込んでください。

特におしぼりには、殺菌のために塩素漂白剤が薄めて使われているので色が抜けてしまう恐れがあるので、注意しましょう。

ネクタイを清潔にして見た目も内面も気持ちよく!

ネクタイを清潔にして見た目も内面も気持ちよく!

ネクタイの清潔感は、ビジネスマンの印象を大きく左右するものです。

見た目も内面も気持ちよく過ごせるよう、正しい洗い方や保管方法を実践し、ネクタイを美しい状態で保ちましょう。

ネクタイはとても繊細なもののため、特にネクタイの使用頻度が高い方は自宅で洗濯するだけでなく、2カ月に1回程度クリーニングに出してメンテナンスを行うことをおすすめします。

クリーニングミハシ代表 武内亮一さん






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