冬でもキレイな手元で
体がだるい、むくんでいる……夏の疲れが、体の不調となってあらわれていませんか?
自律神経のバランスが崩れやすい大人の女性は、気温の変化でも不調の症状を悪化させてしまいがち。症状が深刻になる前に体調を整える方法を、鍼灸師の柳本真弓さんにお伺いしました。
「大人の女性は、お子さんの受験や就職、親の介護など、人生に関わるイベントがあり、頑張りすぎてしまうことが多いようです。
東洋医学の観点からすると、外からの刺激が多すぎてバランスが崩れてしまっている状態。そんな時に、体に適度な刺激を与えてバランスを保つ『ツボ療法』はぴったり。朝起きた時、家事の合間に、お風呂あがりに、3つのツボ療法をいつでも気軽に取り入れてみてください」
<目次>
顔は汗をかくほどのぼせているのに、手足は冷えてつらい……このような症状は、女性特有の「冷えのぼせ」と呼ばれます。
上に昇る性質をもった熱が上部にとどまってしまい、下半身や体の末端まで行き渡らない熱のアンバランスが原因です。のぼせを解消しようと冷たいものを飲むと、ますます体が冷えてしまいます。
こういう時は、まず、足の冷えを解消する代表ツボである足の裏の「湧泉」というツボを押してみてください。冷たくなった足先がじわっと温かくなり、上にこもっていた熱が気とともに下りてくるのが感じられるはずです。
夏バテぎみで食欲がないのに、フェイスラインがぼやけているように感じたことはありませんか。それは、「むくみ」のせい。エアコンや冷たいものなどにより体が冷えると、血液の循環が悪くなり、水分が体にたまってしまいます。
「いつものことだから」と放っておくと、ますます悪化するので、早めにリンパの流れを整えて、血液や気を巡らせましょう。
ひざの裏にある「委中」というツボは、むくみの解消に効果的です。このツボを刺激した後に立ち上がって足踏みをしてみてください。左右の足の軽さの違いを感じられるはずです。足のむくみが解消されれば、体全体の循環も良くなります。
暑さで頭がぼーっとしてしまう。気温も湿度も高い夏は、呼吸が浅くなり、脳が酸素不足になりがちです。暑さのせいにして放っておくと、のぼせやほてりといった症状につながってしまう恐れも。ツボ療法ですみやかに解消しましょう。
「四白」という頬のツボを刺激してみてください。頭に新鮮な酸素がめぐってきて、頭がすっきりと冴えわたります。また、まぶしい日差しや紫外線で疲れた目にも効果的。鼻の通りもよくなります。四白は、顔のむくみやたるみの解消にも効果があるため、美肌のツボとしても知られています。
大人の女性におすすめのツボはまだまだたくさんあります。鍼灸院に通っていただくのも効果的ですが、ツボで自分の体や症状を「定点観測」してみてください。
1日のうち、自分の体と向き合う時間をほんのちょっとつくって、体の声に耳を傾けながら、世界で1人しかいない自分の体と上手に付き合っていきましょう。