冬でもキレイな手元で
運動することが健康にいいとわかっていても、外出する機会が少なくなり運動不足でちょっと体重が増えてしまった……という方も多いのでは。それらをハードな運動や食事制限なしで解消できるとしたら?
ウォーキングについて研究を続ける医学博士の青栁幸利先生に、オトナのキレイも健康も叶えてくれる“非常識”ウォーキングの方法を伺いました。
歩き過ぎていませんか?
美容と健康のために、毎日歩くようにしているという方も多いのではないでしょうか?
ウォーキングの“常識”となっている「1日1万歩」を目標に汗を流し、さらには「歩けば歩くほど健康になる」という考え方から、1万歩よりも2万歩と、どんどん歩数を伸ばす。そして、歩き終わった後の歩数計を見て思わずニンマリ。
足を入念にケアしながら、翌日も頑張ってウォーキングに励む――。
実は、これでは歩き過ぎ。むしろ体にとっては毒なんです。歩き過ぎると疲労が身体に残ってしまい免疫機能が低下。かえって病気になりやすい体になってしまいます。2万歩はおろか1万歩でも、1日に歩く距離としては多すぎるって知っていましたか?
“非常識”ウォーキングとは?
では、1日にベストな歩数、本当に健康的なウォーキングとはどんな方法なのでしょうか? 長年の研究※で分かった従来の常識を覆す“非常識”な結果とは? それが「1日8000歩」×「そのうち20分を早歩き」というウォーキング方法です。
このウォーキングの習慣がある人は、脳卒中やガン、動脈硬化といった病気になりにくいだけでなく、ほとんどメタボリック状態の人がいないという驚きの結果も。
日々の健康はもちろん美容効果も期待できるので、肥満とは無縁の若々しいスタイルにもきっと近づけるかも。
なかには「8000歩も歩けない」という方もいらっしゃるでしょう。でも大丈夫。少なくても1日「4000歩/5分」から病気を予防する効果が期待できます。
今日から始める、脱「1日1万歩」の“非常識ウォーキング”
さぁ、では早速、“非常識ウォーキング”を始めましょう。今まで1万歩で挫折した方も続けられる、5つのポイントをご紹介します。
“非常識”ウォーキングが続く5つのポイント
❶ 歩数は「1日トータル」で目指す
ウォーキングの時間だけでなく、買い物に出かけたり、家の階段の上り下りをしたり、無意識に歩いた歩数を含めて、1日の合計で「8000歩/20分」を目指しましょう。何気なく動いている歩数も意外とあるものです。
❷ 歩く時間は朝より夕方
1日の中で体温がピークを迎える夕方に早歩きをして、最高体温をさらに上昇させることがベスト。難しい場合は、起床後1時間以内、就寝前1時間以内を避けて、行うようにしましょう。
❸ 歩き方にはこだわりすぎない
早歩きをする際に気をつけていただきたいのが「大股で歩く」、ただ1点です。これさえ意識していれば、自然に姿勢が良くなったり、腕を振れるようになります。
❹ 早歩きは「なんとか会話できる程度」のスピードで
20分、早歩きするときは「なんとか会話ができる程度」のスピードが目安。歩きながら鼻歌が歌えるぐらいだと遅すぎ、息が切れて会話ができないと速すぎる状態です。
❺ 生活サイクルに合わせて気長に
予定があったり、天気が悪かったりと、ウォーキングを続けられない日もあるもの。そんな時には、1週間や1ヵ月で「出来ていればOK」と考え、ご自分のペースで続けましょう。ゆったりと構えるのが長続きのコツです。
現在は、高齢者の運動処方ガイドラインの作成に関する研究に従事し、国家的・国際的プロジェクトの主要メンバーとしても活躍。